東京都立大学助教授の宮台真司氏は、自由意志で行う単純売春(低年齢は除く)を合法化し、13歳以上には、性的自己決定権を認めて、<当たり前に性交することを前提とした>性教育プログラムを推進しようという、驚くべき呼びかけをしているている、村瀬幸浩氏(一橋大学、津田塾大学講師)が代表幹事をしている、人間と性”教育研究協議会は、「科学と人権」に基づいて、積極的に子供達の「性の自己決定権」を支持する性教育プログラムを提案してしてきた。

そのテキストの一部を紹介したい。「あなたが、いつ、だれと性交するかは、親や教師の決めることではなく、あなた自身がしっかりと決めることです ----二人で生きている中で感じられた寂しさは、時には肌恋しい気持ちになります。そんなときに、肌のぬくもりを通して、二人で生きていることを実感できれば、そこには強いパートナーシップもできあがるでしょう。まさに愛撫をともなった男女の抱擁は、とても大切なとっておきのコミュニケーションなのです。ここまで進んできたコミュニケーションとしての触れ合いは、性交という行為に近づきます」。

村瀬幸浩氏においては、人間の性は、「快楽」と「コミュニケ-ション」の道具である、という思想が徹底しており、人格的な部分や spiritualな要素は完全に排除されている。1992 年以来、文部省は積極的に性教育の推進を呼びかけてきたが、宮台真司氏や村瀬幸浩氏らの性教育思想が学校教育の現場に与えてきた影響は、決して小さくはない。しかし、それは、児童精神医学、性感染症学、心理学、宗教学、哲学などの諸学のエビデンスに基づいた性教育とは、とうてい思えないものである。

未熟な性的体験(premature sexual activity)が非常に危険な行動であり、アルコールやドラッグ依存に結びつきやすいということは、今や世界的コンセンサスとなっている。